漢方薬治療

漢方薬治療は、東洋医学の治療法の一つで、漢方薬を用いて体の自然治癒力を高め、また体質を改善することで、身体や心の健やかさを取り戻す治療法です。

漢方薬治療の最大の特徴は、オーダーメイド治療であることです。
私たちは、みな個別の体質をもっており、考え方や性格も一人一人違います。

病気も、たとえ他の方と診断名は同じであっても、その症状が現れるまでの経緯や原因はお一人お一人異なっています。

西洋医学では診断名が同じならどの方も治療薬が似たような薬になることが多いですが、東洋医学では、西洋医学上の診断名に拠らず、患者さま自身の状態をあらゆる角度から見極めて処方しますので、用いる漢方薬も異なります。（同病異治）

ふじた医院では、お一人お一人に寄り添いながら治療するオーダーメイドの漢方治療を行っていきます。

では、漢方薬治療について詳しくご説明していきます。

漢方薬とはどういう薬なのか

漢方薬は、自然界にある植物（葛根など）や鉱物などの生薬を、原則として複数組み合わせて作られた薬です。

漢方薬（※）の起源は中国とされますが、日本に伝わった後は、日本の風土や日本人の体質に合わせて独自の発展を遂げてきました。

現在、医療機関で処方される漢方薬には、日本人が発明した漢方薬もあります。

漢方薬には、生薬を小さくきざんで煎じて飲む煎じ薬や、生薬のエキスを乾燥させて顆粒や錠剤にして内服するエキス製剤があります。

昨今は、「常に安定した容量を服薬できる」「煎じる手間がない」「携帯しやすい」「旅行先での服用も楽」「保存が容易」「歯の着色がない」などの理由からエキス製剤が広く処方されています。

漢方薬治療はどんな人に向いてる？

など、今の治療やこれまでの治療法になんらかの不満や不安がある方や、何科に相談したらいいのかわからないといった悩みをお持ちの方に一度お試しいただきたいと思います。

漢方薬は、病気を抑え込んだり、その場しのぎの治療ではなく、その方の体質そのものを改善させたり、自然治癒力を高めたりすることで治していく根治的治療です。

ですので、長い間同じ症状に苦しんでいる方や、もっと健康になりたいと思っている方にこそ向いていると考えます。

漢方薬は、現在148種類が保険で認められており、その中からその方の状態に合わせたものを処方します。

そして、1種類だけでなく、2～3種類組み合わせて処方することもあり、まさに千差万別、オーダーメイド治療です。

また、赤ちゃんからご高齢の方まで年齢に応じた漢方薬が存在しますので、どなたでも安心して内服できることも特徴です。（すべての方にアレルギーが出ないということではありません）

漢方薬で治療できる症状

漢方薬では、西洋医学的に診断されている症状から、西洋医学では原因をとらえきれない症状まで幅広く治療することができます。

その秘密は、診察方法にあります。

漢方薬を処方する際は、西洋医学では用いない特殊な診断方法（四診）を用いて、その方の体質や状態を診断します。

そうすることで、お体だけでなく、心の状態も把握でき、さらには症状が出る原因となる生活習慣などまで把握することができます。

例えば、「花粉症」はいまや国民病ですが、西洋医学的には、花粉症の原因は大量の花粉や免疫異常と考えられていますが、漢方薬治療の場合は、身体の冷えや水分代謝に原因があると考えます。

よって、身体をあたためるような生薬や身体の水分バランスを良くするような漢方薬を処方することで、花粉症の症状を抑えるのではなく、症状が出ないお体へと改善させていくことができるのです。

もちろん、花粉症などの「病気」だけでなく、ストレスを感じやすい性格であったり、妊活など、病気ではないけど悩んでいることにも対応できます。

ふじた医院の漢方薬治療の特徴

ふじた医院では、漢方薬治療の経験豊富な医師が、上にも述べた「四診」をしっかり行い、患者さまとよくお話したうえで漢方薬を処方します。

四診とは、問診・望診（舌診含む）・聞診・切診です。

問診は通常の問診に加え、その方の「気・血・水」のバランスをチェックするような問診をします。

望診は通常の診察でも行う顔色や表情などを診ることに加え、舌を診ることでお体の状態を判断します。

聞診では、通常の聴診に加え、お声の大きさや声の張りなども診断材料とします。

切診は、体に触れる診察のことで、脈を診る脈診や、お腹を触る腹診があります。腹診は日本独自の診察方法で、心の状態まで把握できる診察方法です。

こうした丁寧な診察から、その方の体質や、気血水の巡りの状態を把握し、漢方薬を処方します。

さらに、漢方薬を処方するだけでなく、症状の一因となっている生活習慣やお食事のお話もさせていただき、東洋医学的観点に基づき、症状や体質改善のための総合的なアドバイスをしていますし、必要であれば、リハビリテーションなど他の西洋医学的治療も同時に行っています。

ふじた医院の漢方薬治療の流れ