病気解説
外科
頭を切った
日常生活の中で頭をぶつけてしまうことは多々あり、頭を切ってしまうこともあります。頭は少し切っただけでも多量に出血してしまい、危険なので処置が大切です。体の中でも頭は重要な部分ですから、放置してしまうと、その後に起こるかもしれない病気などもあります。
頭を切った時の処置はどうしたらいい?
頭を切って出血が少ない場合
頭をぶつけてしまった時に、物の角などにぶつけてしまうと出血してしまうことがあります。出血が少しである、出血がないといった場合には、たいしたことがないと思ってそのまま放っておいてしまうこともあるかもしれません。
しかし、頭をぶつけると出血が少なくとも、その後に重大な病気を引き起こすことがあり、命の危険がある場合もあります。
頭をぶつけてしまった場合、脳内に出血が起こるなどの急性の病気を引き起こすことがあります。
この急性出血による症状はだいたい24時間以内に現れます。
そのため、24時間は様子を注意して観察しましょう。
頭痛や吐き気、脈拍の乱れや呼吸の乱れがないか注意してください。
(このような症状がない場合も安静を心掛けましょう)
また、24時間経過後も2~3日は様子を見るようにしましょう。頭の急性の出血による症状は何日か遅れて現れる場合があります。
そのため、1週間程度は気をつける必要がありますが、1週間を経過すれば、ほとんどの場合問題ありません。
頭を打ってしまったときの処置としては、頭を高くして安静にし、冷やしたタオルで頭を冷やします。
軽く頭をぶつけた場合には、このような処置を行えば問題ありませんが、頭を打った後に脳震盪(のうしんとう)を起こしている、嘔吐や頭痛があるという場合には速やかに医師の診断を受けましょう。
頭を切って出血が多い場合
頭をぶつけたときに頭を切ってしまうと、血が大量に出ることがあります。頭からの出血が多いと体に重大な影響を与える場合があります。
頭などは血が出やすい部分であり、少し切っただけでも大量出血をしてしまう場合があります。人間の体には、体重の13分の1から14分の1程の血液が流れています。この血液の量のうち、20パーセントを失うと、出血性のショックを起こすことがあり危険です。
また、30パーセントを失ってしまうと命の危険があるといわれていますので、頭から出血がある場合には速やかに止血をし、病院で処置を受けましょう。
頭から大量の出血がある場合には止血をすることが大切です。
止血には、タオルやハンカチなど清潔な布を使用しましょう。
頭は心臓よりも高く上げておき、止血をする場合には直接血液に触れないように買い物袋や手袋などで手をカバーしましょう。
タオルやハンカチは傷口に強く押し当てて、3~4分ほど手を放さずに圧迫をし続けましょう。
少しの傷であれば3~4分程度で血が止まりますが、出血が多い場合にはなかなか止まらないことがありますので、タオルなどでしっかりと圧迫をし続けましょう。
応急の処置を行ったら速やかに救急車などを呼び病院で診察を受けましょう。
お風呂に入る時は?
頭を切ってしまった場合に気になるのがお風呂に入るかどうかです。
お風呂に入ってよい場合
頭をぶつけて出血があった場合、病院などで診察を受けて出血が止まり、浸出液などが出ていない場合には早ければ処置の翌日からお風呂に入ることができます。
この時には必ず医師の判断を仰ぎましょう。
お風呂で頭を洗う場合には傷口を強くこすらずに泡でよく洗うようにしましょう。
傷口をこすってしまうと、傷口が開く恐れがあるため注意が必要です。
入浴がダメな場合
頭を強く打ち、切り傷が大きくなく病院を受診しなかった場合には入浴に注意が必要です。切り傷があると、そこから菌が入ってしまうことがあるため、入浴をする場合にはしっかりと消毒を行いましょう。
また、切り傷が大きく、出血が多かった場合には、入浴をすることで止まっていた出血が再び起こってしまうことがあります。
また、体温が上がると血液の循環が良くなり、大量出血が起こる可能性があるため、切り傷を負ったその日は出血が一時的に止まっていても入浴は控えましょう。
大量出血が起こると命に関わることもあります。
傷が大きなものであったり、出血が多かったりする場合には、病院で受診して医師の診断を仰いでから入浴することをおすすめします。
子供が頭をケガした時はどうしたらいい?(頭部外傷)
症状は?
子供が頭を打ったりするのは日常茶飯事のことです。特に歩き始めたばかりの幼児がころぶことは頻繁にあります。
おでこにあざができるのはよくあることで、3日位すると重力の関係で内出血が下に移動してきて目の周りが青くなることもあります。頭のケガには、頭皮の切り傷、擦り傷、内出血、腫れなども含まれます。
症状はどのくらい続く?
小児の頭のケガのほとんどは頭皮に軽く傷を負う程度ですが、頭部は血流が多いのでこぶができやすかったり、出血が多かったりします。一部の場合(1~2%)で、頭蓋骨にひびが入るようなこともありますが、特別な症状はなく打った部分に痛みを感じる程度です。
脳しんとうの場合は、一時的に意識を失ったり、記憶を喪失したり、混乱したりという症状を伴います。
打った時の処置は?
傷口の手当て
水道水を流しながら石鹸で洗った後、傷口を出血が止まるまで10分ほど清潔なタオルで押さえてください(滅菌ガーゼをお持ちでしたらそれをお使いください)。腫れがある場合は、氷をタオルで包んで、20分位腫れが治まるまで押さえてあげてください。
休息をとること
子供を横にして症状が治まるまで休ませましょう(最低2時間)。眠ければそのまま眠らせてかまいません。
子供をできるだけ起こしておかなければならないということはありません。両親の側に寝かせ、時々様子をみてください。
食事
水分(透明なもので、水やお茶など。ミルク、オレンジジュースなど透明で無い物は避ける)のみを与え、2時間経っても吐かなければ食べ物を開始しても大丈夫です。
頭に外傷を負った後に吐く子供が多いので、吐き気が治まるまで食べ物は控えください。
痛み止め
痛み止めの使用は避けてください。痛み止めが必要なほど頭痛がひどい場合は、医師を受診する必要があります。
その他の注意することは?
念の為、ケガの後48時間はお子様の様子をよく見てあげてください。夜間は、2回位起こしてみてください。
両親が寝る時に一度と4時間後にもう一度起こして、普段通り会話したり歩いたりできるか確認してください。
両親が子供の部屋に寝るか子供を両親の部屋に寝かせ、二晩様子を見て下さい。
呼吸に異常があったり普段と睡眠の様子が違っていたりした場合は、昏睡などがないか起こして確認してください。
起こそうとしても子供が起きない時は、医師にすぐ連絡をとりましょう。48時間問題がなければ、普段通りの生活に戻してかまいません。
大人が頭を怪我した時はどうしたらいい?
救急車を呼んだ方がいい場合
以下のような症状がある場合はすみやかに救急車を呼んでください。
- 意識をなくした
- 嘔吐(おうと)、または、吐き気がある
- 手足に力が入らなかったり、しびれたりする
- 頭を打ったことを覚えていない
- 頭の他にもけががある
- おかしなことを言ったり、反応が悪くなってきた
- 眼が見えにくかったり、二重に見える
- 頭痛がひどくなってきた
- フラフラしている または、めまいがする
- 意識がもうろうとしてきた
- 元気がない
- 頭(頭皮)や耳(耳の穴)からの出血や鼻血がある
- 顔色が真っ青である
- 痙攣(けいれん)があった
病院を受診した方がいい場合
- 頭を打った部分がへこんでいる
- 頭の痛みが強くなる
- 頭を打った前後のことをよく覚えていない
- 吐き気や気持ちの悪さが続く 嘔吐を繰り返す
けがをしたときの応急手当
病院への受診・救急車の到着までの間に応急手当をする場合は以下に注意しましょう。
吐き気や嘔吐の有無、瞳の大きさ、目や手足の動きに注意しましょう。
頭を打ったあとすぐに泣いたか、ぼんやりしていなかったか、よく観察しましょう。
出血がある場合は、乾いたタオルで強く圧迫して止血しましょう。
体をゆすったり、叩いたりしないようにしましょう。
気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください
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