病気解説

整形外科

ガングリオン(手や足にしこりやできものがある場合)

「ふと気づくと、手首にぐりぐりしたできものができている。」

手や足に、小さなできものができていたら、それは、ガングリオンかもしれません。

良性のできものではありますが、大きくなると神経を圧迫する、感染症を合併するなどの症状が出始めますので、注意が必要です。

こちらで、ガングリオンについて詳しくご説明していきます。

ガングリオンとは?

ガングリオンとは、関節や腱鞘(けんしょう)にできるゼリー状の腫瘤で、良性の疾患です。

関節は、関節包(かんせつほう)という袋に包まれていますが、その袋部分に関節液が溜まり、しこりとして触れるようになります。

ガングリオンかどうか見分けるには?

自分の体にしこりがあったら、「悪いものでは!?」と不安になりますよね。

ガングリオンは良性の腫瘤で、以下のような特徴がありますので、参考にしてください。

ただし、ガングリオンに似た腫瘍はいくつもあり、放置していたら、悪性の脂肪腫だった、関節の変形が進んでいた(へバーデン結節やブシャール結節)とか、神経痛が出始めた、膿みが出て強く痛み出した、という場合もありますので、しこりに気づいたら、その時点で整形外科を受診し、医師の診断をうけ、放置はしないようにしましょう。

ガングリオンの特徴

大きさ

見た目にはほとんどわからない小さいものから、目立つ大きさのものまで様々です。

硬さ

柔らかいものから硬いものまでありますが、比較的しっかりした硬さであることが多いです。

痛みや腫れ

良性の腫瘤ですので、悪性のように、押して痛みがあったり、皮膚がひきつれたり、どんどん大きくなったり、ということはありません。

痛みはありませんが、できる場所によって、関節が動かしにくい、神経の圧迫があると、しびれや痛み、運動麻痺といった症状が現れます。

また、徐々に大きくなる場合もあり、皮膚が薄くなって破裂しやすい状態になることもあります。

破裂すると関節まで感染が及ぶことになり全身状態の悪化に関わる危険性があります。

好発年齢や性別

高校生の女性から、ご高齢の男性まで、幅広い世代、性別問わず発症します。

ガングリオンの治療/受診する診療科

病院でガングリオンと診断された場合、治療が必要になる場合は、主に2つです。

一つは、見た目。

症状は特にないければ、見た目として気になるから取ってほしいという患者さまの希望がある場合です。

二つ目は、実際に症状がある場合です。

ガングリオンのせいで関節が動かしにくい、神経症状が出ることがある、皮膚が薄くなって破裂の危険があるなどの場合です。

治療は、溜まった関節液を注射器で吸引する治療が一般的です。

繰り返す場合もありますが、ふじた医院では、できるだけ再発しないように処置しますし、再発した場合も吸引を繰り返すと徐々にできなくなっていくことがほとんどです。

それでも繰り返してかつ症状がある場合は、手術も考慮します。

これらの診断治療はすべて整形外科で行います。

やってはいけない3つの対処法

見た目として気になるし、自分でも触れられることが多いので、ついつい触りすぎたり、自分でなんとかしようとする場合があるかもしれません。

しかし、以下の3つは絶対にしないようにしてください。

  1. 放置する
    痛みがないからと、放置する。これは、神経麻痺、感染、他の疾患の見逃しにつながりますので、発見したら必ず整形外科を受診してください。
  2. 自分で触りすぎたり、押しつぶしたりする
    ずっと触ってしまう、にきびのような感覚で自分でつぶしてしまう、針を刺して中身を出そうとする、などの無理な方法は絶対にしないでください。
    関節という体の深部につながっている腫瘤ですので、ご自身でつぶして細菌感染すると、最悪骨にまで感染が及ぶことになり非常に危険です。
  3. 負荷をかける
    ガングリオンは手首や指など、よく使う部分に好発します。
    適切な治療を受けないまま患部を使い続けていると、ガングリオンが大きくなっていく場合があります。
    ガングリオンを疑ったら、患部をできるだけ安静にし、医師の診断を受けてください。

よくあるご質問

Q1: 薬で治すことはできますか?

ガングリオンの正体は、むくみのような皮下の水分の溜まりではなく、関節内に溜まっている液体なので、薬で関節液を排泄させるということはできません。

注射器での吸引で物理的に取り除く治療が必要です。

Q2: ガングリオンで起きたしびれや運動麻痺は、ガングリオンをとれば治りますか?

神経症状が出てすぐにガングリオンという圧迫を除去すれば、数日から数週間で神経症状も治る場合もあります。

が、神経症状が出ているのにしばらくそのままにしていた場合、ガングリオンを除去しても神経症状は残存してしまう可能性があります。

ガングリオンによる圧迫が長期間続き、神経の機能が衰えた場合、ガングリオンを除去しても、神経の修復は非常にゆっくりなので、治るとしても数か月から数年かかったり、最悪の場合、神経症状だけ残存してしまうという可能性もあります。

ですので、しこりに気づいた時点やしびれなどが気になった時点で、整形外科を受診するようにしてください。

Q3: ガングリオンとよく似た病気はありますか?

ガングリオンのように、腫れて痛みもないという疾患は他にもあります。

粉瘤(ふんりゅう)、脂肪腫、滑液包炎などです。粉瘤はときに痛みを伴う場合もありますので、気になる方はこちらの記事も参考にしてください。

脂肪腫は、まれに悪性の場合もあるので、注意が必要です。

滑液包炎は、足首や肘の関節を好発とする腫瘤ですが、ガングリオンより大きくなりやすく痛みも出やすいので、しこりや腫れに気づいたらすぐに整形外科を受診してください。

Q4: 痛みはないのですが、診察は受けたほうがいいですか?

はい、しこりなどにお気づきであれば、整形外科を受診するようおすすめします。

悪性の腫瘍である可能性もありますし、ガングリオンであっても、感染のリスクなどもありますので、現在は痛みがなくても、今後の対応を医師と相談しておくことをおすすめします。

気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください

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