病気解説
整形外科
肘の痛み
肘に痛みを感じていても、その原因や対処法がわからずに困ってしまっている人は多いでしょう。肘の痛みは、日常生活においてさまざまな弊害を起こします。
肘の痛みの症状
肘の痛みには代表的な症状がいくつかあります。
変形性肘関節症
変形性肘関節症は、肘を動かすことで肘に痛みがでる症状のことを言います。
また、肘が動かしづらくなったり、肘を動かそうとしても肘が固まってしまったりすることがあり、日常生活に支障がでてしまう場合もあります。動かなくなった肘を無理に動かそうとすると、激しい痛みに襲われることがあるため、注意が必要です。
関節リウマチ
関節リウマチは、関節に痛みや腫れの症状がでる状態のことを言います。
関節リウマチの症状を放っておくと、症状が悪化して関節が変形してしまうこともあります。また、痛みの他にも関節の内側が腫れたり、関節の周辺がこわばったりするなどの症状がでる場合もあります。
野球肘(上腕骨内側上顆炎)
野球肘は、野球などのスポーツにより投球をしたときや、投球後などに肘に痛みの症状がでる状態のことを指します。また、肘の痛み以外にも、肘が曲がりづらくなったり、伸ばすことが困難になったりする場合もあり、症状が悪化すると、肘が動かない状態になってしまう場合もあります。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
テニス肘はタオルを絞る動作をしたときや、手でものをつかんで持ち上げるなどの動作をしたときに、肘の外側から前弯にかけて痛みがでる症状のことを言います。安静にしているときは痛みの症状が現れないことがほとんどです。
肘の痛みの原因
肘の痛みの原因はその症状によってさまざまです。
変形性肘関節症
変形性肘関節症の原因は、スポーツなどで肘を酷使したり、関節炎を引き起こしていたり、肘関節内の骨折を起こしてしまっている場合に起こります。また、重いものを持ち上げるなどの重労働を続けていると起こる場合もあります。
関節リウマチ
関節リウマチの原因ははっきりと解明されてはいませんが、喫煙、出産、怪我、ストレスや過労、ウイルスや細菌の感染など(自己免疫疾患)をきっかけに発症することがあります。
この自己免疫疾患は、遺伝による体質にウイルスなどの影響で、免疫に異常が起こることを言います。臓器障害や橋本病(慢性甲状腺炎)などの疾患が合わせて起こることもあります。
野球肘
野球肘の原因は、何度も同じように投球を行うことで、肘に負荷がかかり、その状態が続くことで起こります。
投球を繰り返していると、肘の外側にある骨と骨が繰り返し衝突し、骨や軟骨などの組織が傷んでしまったり、肘の内側の靱帯や軟骨、腱などの組織が傷んだりします。また、骨や軟骨組織がはがれてしまうこともあります。
テニス肘
テニス肘は、テニスを行うことで肘の腱などが傷んでしまうことで起こります。
はっきりとした原因は解明されていませんが、手首を伸ばす働きをする部分の腱の起始部に、テニスの運動によって障害が起こることが原因とされています。
また、テニスの動作だけではなく、加齢により腱が傷んでしまっているところへテニスなどの負荷がかかることで、テニス肘の症状が起こる場合があります。
自分でできる肘の痛みの予防法・対処法
肘の痛みへの予防法や対処法を知れば、再発などを防げるようになります。
変形性肘関節症
変形性肘関節症による肘の痛みがある場合には、なるべく痛む部分を動かさないようにして、安静にすることが対処法になります。また、痛みがひどい場合には、病院で適切な治療を受けましょう。
変形性肘関節症の予防には、ストレッチが効果的です。
腕を前に伸ばし、手の甲を上にします。手のひらは自分に向くようにして、反対側の手で伸ばした手の指をつかむようにし、手首を曲げます。
このとき、前腕から肘のあたりに突っ張りを感じなければ、その状態を20秒程度維持します。
このストレッチを行うことで、変形性肘関節症の予防に効果が期待できます。
関節リウマチ
関節リウマチになった場合には、免疫を低下させないために、生活習慣などを見直す必要がでてきます。
関節リウマチは、喫煙者に発症率が多く、治療を行うためにも免疫力を低下させるためのタバコは控えましょう。また、腸内環境を整えることも予防に効果が期待できます。
野球肘
野球肘は、野球の投球による肘の酷使が原因となる場合が多く、痛みなどの症状がでた場合には、無理な投球はやめて、安静にすることが大切です。
野球肘の予防をするためにも、肘の酷使はしないようにし、無理な投球数はやめ、正しいフォームを身につけるようにしましょう。
テニス肘
テニス肘の症状が現れた場合には、無理な運動は控え、まずは肘を安静に保つことが大切です。また、テニスのフォームを見直し、肘を酷使する運動や作業はなるべく控えるようにしましょう。
病院での肘の痛みの治療について
肘の痛みの症状がでた場合には、病院での治療が必要になる場合があります。
変形性肘関節症
変形性肘関節症になってしまった場合には、病院での治療をおすすめします。
病院では、それほど重症ではない場合には、保存的治療が行われ、三角巾や装具などで痛みの部分を固定します。ほかにも、痛みを取り除くための消炎鎮痛剤を注射したり、温熱療法などの治療が行われます。また、合わせて筋力トレーニングやストレッチを行う場合もあります。
変形性肘関節症の症状が進んでしまっている場合には、手術によって痛みを引き起こす骨棘の切除や摘出が行われます。
関節リウマチ
関節リウマチによる肘の痛みの症状を取り除くためには、薬物療法により、炎症を防ぐなどの治療が行われ、それ以上の関節の破壊を防ぐための薬物が投与されます。また、骨膜切除などの手術を行う場合もあります。
ほかにも、リハビリやストレッチなどを行い、関節を保護するための筋力トレーニングが行われます。
野球肘
野球肘は症状が軽い場合には、保存的治療が行われますが、症状が重い場合には、骨に穴をあけ、骨を釘のようにして移植を行う手術が行われます。また、膝の軟骨を移植する手術が行われる場合もあります。
テニス肘
テニス肘の治療は、症状が軽い場合には保存的治療が行われ、肘の固定などが行われます。肘の痛みがひどい場合には、手術による機能の回復が行われます。手術の方法としては、筋膜切開術、切除術、前進術、肘関節鏡視下手術などがあります。
当院の肘の痛み治療
肘の痛みを伴う怪我や病気は、手術が必要になることもあり、治療法によっては激しい痛みを伴う場合もあります。
取り返しのつかないことになる前に予防を行い、肘の痛みに備えましょう。
当院では、肘の痛みを伴う怪我や病気の治療を行っていますが、隣接しているジムにて、初動負荷トレーニング®による治療やリハビリを受けることもできます。
身体に無理のない範囲で行うことができるので、ぜひ実践してみてください。
気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください
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