病気解説
消化器内科
胃腸炎
急な腹痛に襲われた時、もしかしたら重い病気なのでは?と心配に感じることもあるのではないでしょうか。
胃腸炎は軽いものから重いもの、他の病気から胃腸炎になってしまうことがあります。また、精神的なことが原因で胃腸炎になってしまうこともあります。
胃腸炎とは
胃腸炎とは、主に胃や小腸、大腸の粘膜に生じる炎症のことを言います。
微生物の感染などで起こることが多い症状ですが、毒性のある化学物質などを摂取してしまった場合にも起こります。
よくある症状として強い下痢・吐き気・嘔吐・腹痛がみられ非常に耐えがたいのが特徴です。最近では化学物質系が原因の他にも、ストレスが原因で起こるストレス性胃腸炎という病気もあります。このストレス性胃腸炎は特に現代人に多く、睡眠不足などの日常生活の不摂生によって引き起こされるものが多くみられます。症状は微生物の感染などで起こる胃腸炎と同じで下痢、吐き気、嘔吐、腹痛となります。
ストレス以外にも自律神経失調症など他の病気が原因で起こる胃腸炎もあります。
胃腸炎の原因と種類
胃腸炎の種類には様々なものがあり、その原因も様々です。
ウイルス性
ロタウイルス、ノロウイルス、アストロウイルス、アデノウイルスなど様々なウイルスに感染した結果起こる胃腸炎です。
感染の原因は、胃腸炎にかかった人の排出物や嘔吐物で、空気感染します。とくに子どもがかかる胃腸炎の原因にはロタウイルスが最も多く、成人になると免疫ができるため感染しにくくなると言われています。
最近よく聞くようになったノロウイルスは非常に感染力が高く、たとえ症状が治まっても一ヶ月間は毒を排出し続けますので周りの人に感染しないよう注意する必要があります。
細菌性
大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、カンピロバクター属と言った細菌が体内に入ることで起こる胃腸炎です。
細菌に感染した食品を摂取することにより体内に細菌が入ってしまうことが原因となっています。とくに暑い時期は特に注意しなくてはなりません。常温で食品を放置すると細菌が繁殖してしまいますので、適切な保存方法で食品を守ることが細菌性胃腸炎の予防になります。
寄生虫性
ランブル鞭毛虫、赤痢アメーバやクリプトスポリジウムなどの寄生虫が原因で起こる胃腸炎です。
魚などの生鮮食品の処理が適切に行われなかった場合などに体内へと入ってしまうことがあります。
伝染
汚染水の摂取や身の回り品などから感染してしまう胃腸炎です。
乳幼児だと哺乳瓶から伝染してしまうこともあり、不衛生な環境が原因とされています。赤痢菌などが主に感染するものとされており、動物から感染することもあります。
非感染性
毒性のある化学物質を体内に取り込んでしまって起こる胃腸炎です。
薬害などがこれにあたりますが、河豚の毒であるテトドロドキシン中毒もこれに該当します。
ストレス性
現代人に多い胃腸炎です。
その理由は様々ですが、主に日常生活の不摂生から起こります。また、ストレスを溜めすぎて自律神経が乱れることによって引き起こされる急性胃腸炎も存在します。
胃腸炎の症状
胃腸炎の症状は前述のように、急な腹痛や、吐き気、嘔吐、下痢、発熱と言ったものになります。
こう言った症状が出た場合、まず最初に疑うのがウイルスや細菌などによる感染性胃腸炎です。3日ほど遡って食べたものを思い出して頂き、心当たりがないか思い出してみてください。
この感染性胃腸炎は他の人にも感染する可能性がありますので、思いあたる節のある方は、早めに当院にご相談ください。
夏であれば食べ物から感染する細菌性の胃腸炎、冬であればウイルス性の胃腸炎が起こりやすいので、それぞれに合った適切な対処が必要になってきます。
また、決まった時間や決まった時期に起こる慢性的な腹痛はストレス性胃腸炎の可能性があります。そのまま放っておくと鬱病などに繋がってしまう可能性がありますので、慢性的な腹痛を感じられる方も注意しましょう。
子供の胃腸炎
子供の胃腸炎には主に細菌やウイルスによる感染性のものが多いです。
大人と違い細菌やウイルスに対する免疫がないので、子供の時期は非常に胃腸炎を発症しやすいです。中でもロタウイルスを始めとするウイルス性の急性胃腸炎が子供の胃腸炎の90%を占め、圧倒的に多い原因となっています。その他にサルモネラ、病原大腸菌、エルシニア、腸炎ビブリオなどの細菌があります。
また、海外に旅行へ行かれた場合に感染してしまう胃腸炎としてコレラや赤痢などもあり、命に関わる病気になりますので注意が必要です。
症状としては、突然の嘔吐、下痢、腹痛が共通の症状となります。
細菌性胃腸炎の場合は発熱を伴うことが多く、血便などの症状も現れます。
ウイルス性胃腸炎は水のような便が多くなり、一日に何度も便をすることになるでしょう。
どちらの胃腸炎でも気をつけたいことが脱水症状です。
とくに子供は脱水症状になりやすく、ぼんやりしている・すぐ眠ってしまうという症状が出た場合はただちに病院へ行ってください。
家庭でできる治療方法は十分な水分補給と食事療法になります。
水分補給をする場合は、お茶や湯冷ましなどが望ましいものとなっており、スポーツドリンクなどは他に栄養分が入っているのでこの場合の水分補給には向きません。
あくまでも応急処置の1つなので、少しでも子供の様子がおかしいと感じた場合は専門医師のもとで適切な処置を行うことが大切です。
当院の胃腸炎治療
当院では、ウイルスなどが感染の原因とされる感染性胃腸炎から、ストレス性胃腸炎など様々な胃腸炎の治療を行っております。
感染性胃腸炎であれば、一人一人の症状に合わせて的確な処置を行い改善に向けて治療を行います。胃カメラでより精密な検査を行うことで、他の病気の早期発見にもつながります。
胃腸炎だからすぐ治るだろうと高を括っていると胃潰瘍だったと言うこともあります。
決して自己判断せずに違和感を覚えたら、当院へお気軽にお問い合わせください。
特にストレス性胃腸炎は治療に長い時間を要します。胃腸炎は決して簡単な病気ではありませんので自己判断をせずに適切な治療を行うことが早期完治の第一歩です。
気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください
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