病気解説

内科

花粉症

春や秋の時期になるとたくさんの花粉が飛散するので、花粉症の症状に多くの方が悩まれています。

花粉症の原因となる花粉は1年中飛散をしていて、1年を通しての予防が大切ですが、特に大量の花粉の飛散する春・秋シーズンは症状の重症化とならないために早めの対策や治療が必要となります。

花粉症とは?

花粉が飛ぶ季節になると始まる、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。

スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じるアレルギー症状を「花粉症」と呼びます。
医学用語では、「季節性アレルギー性鼻炎」と呼びます。

現在、日本人のおよそ4人に1人が花粉症だと言われています。

花粉症の原因

くしゃみ、鼻水、鼻づまりにしても、目のかゆみ、充血、涙にしても、いずれも入ってきた花粉を取り除こうとすることで生じるアレルギー反応です。

花粉が目や鼻から入って来ることにより、体内の免疫システムによって「異物=敵」とみなされると、敵に対抗するための抗体(「IgE抗体」と言います)がつくられます。このIgE抗体は、花粉に接触するたびにつくられるため、少しずつ体内に蓄積されていきます。

蓄積量があるレベルに達すると、次に花粉が入ってきたときに、アレルギー反応を起こすヒスタミンなどの化学物質が分泌され、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状を起こすのです。

去年までは全然大丈夫だったのに急に花粉症になった――。それは、これまで蓄積されていたIgE抗体が一定量に達してしまったことにより症状が発生するのです。

原因となる植物

時期や地域などによって原因となる植物は異なりますが、花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています。

これはわが国には全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためでもあり、関東や東海地方ではスギが中心になります。

スギ(2月~4月)

本州、四国、九州の山中に分布する。花粉症の原因植物の代表格。

ヒノキ(3月~4月)

本州の福島以南と四国、九州に分布する。スギ花粉に似たアレルギー物質を持つ。

イネ科

カモガヤ(5月~6月)、オオアワガエリ(6月~8月)、ススキ(9月~10月)など。

ハンノキ(1月~4月)

日本全土に分布し、森や湖などの湿地に多い。

シラカンバ(3月下旬~6月)

北海道や本州の中部以北に分布している。スギ花粉症がほとんどない北海道では、シラカンバ花粉症が多い。

ブタクサ(8月~9月)

東北以北は少ないが、日本全域に分布する。秋の花粉症の代表格。

ヨモギ(9月~10月)

日本全域に分布する。

カナムグラ(8月~10月)

日本全域に分布し、特に関東地方に多い。

花粉症の症状

花粉症の症状は、水のような「鼻水」と、繰り返す「くしゃみ」、「鼻づまり」が3大主徴です。 目にもかゆみや異物感が生じ、花粉飛散量に比例して症状が悪化する傾向があります。

鼻症状は呼吸がしづらくなるため、集中力の低下やよく眠れないなど、勉強や仕事、家事に大きな影響を及ぼします。

また、花粉症の人の中には、果物や生野菜を食べた後、数分以内に唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどがあらわれることがあります。

これは、口腔アレルギー症候群と呼ばれており、花粉にあるアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)と、果物や野菜に含まれるアレルゲンが似ているために起こります。

ふじた医院の花粉症治療

ふじた医院の花粉症の治療は、以下の2種類を採用しています。

薬物療法

花粉症の症状に合わせて、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりなどつらい症状を軽くしたり・抑えたりするための薬を処方します。

薬物療法では花粉シーズン中の非常に強い花粉症状を和らげることに効果があります。

舌下免疫療法

現在、スギ花粉症とダニのアレルギー症状を根本から治すことができる唯一の治療法とされています。次章で詳しく解説していきます。

花粉症における舌下免疫療法

近年、アレルギーの原因となる抗原(原因物質)であるアレルゲンの入った治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場しました。

この治療はこれまでの飲み薬のような対症療法ではなく、アレルゲンの入った治療薬を長期にわたり投与することにより、体質を変え、根本的な改善を目標にした治療法です。

舌下免疫療法は現在、スギ花粉症とダニのアレルギー症状を根本から治すことができる唯一の治療法とされています。

しかし、すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。治療薬の販売前の治験では、2割の方が完治し、6割の方に症状の改善が見られ、2割の方は効果がありませんでした。

1日1回、毎日自宅で服用し3〜5年間にわたり服用を継続します。

舌下免疫療法のメリット

  1. 多くの人に効果がある
  2. 大きな副作用は極めて稀である(またはほとんど無い)
  3. 子供も服用できる
  4. 子供がこの治療法を続けた場合、成長後の他のアレルギー症状を抑える効果も期待できる
    また他の薬との併用が可能で薬の量を減らすことができる
  5. 自宅にて治療が可能 (月に1回程度の定期的な通院は推奨されています)

舌下免疫療法のデメリット

  1. 治癒をめざすのであれば、治療期間が3年から5年と長期
  2. スギ花粉・ダニのみ治療対象 その他のアレルギーの治療は現在(2022年2月)、まだございません

舌下免疫療法は、体質から根本的に治療できるため、80%以上の人に効果があり、薬の副作用が少ないため、とてもお薦めできる治療法です。

この治療法をもっと多くの方に知っていただき、治療を始めることにより、症状の軽減、生活の質の大幅な改善につなげることができます。

ふじた医院でも舌下免疫療法は採用していますので、まずはご相談ください。

花粉症対策

日常でできる花粉症対策をご紹介します。

まず花粉症対策の基本は、原因となる花粉をあびないことです。
飛散距離の短い草の花粉に対しては、生育している場所に近づかないことが有効な花粉症対策となります。

マスクをする

花粉症対策の中でも最もポピュラーなものの一つがマスクです。
花粉症専用マスクは、花粉をブロックする機能が高いことがわっていますが、人によっては少し息苦しく感じることもあるようです。

また、普通のマスクでも、マスクの内側にガーゼを当てる「インナーマスク」を使用することで99%の花粉が除去できると言われています。

花粉症情報をチェックする

花粉症情報に注意しましょう。
スギ花粉に関しては、テレビやインターネット、アプリなどの天気予報でも知ることができますのでチェックしてみてください。

外出を控える

花粉の飛散量が多い時期や時間帯の外出を極力控えましょう。
スギ花粉の場合は12時頃と17時頃が飛散のピークです。
ジョギングや買い物などで外出する場合も、この時間帯を避けることで症状の緩和が期待できます。

洋服の素材に注意する

外出時は、花粉のつきやすいウール素材は避け、ツルツルした素材の上着を身につけましょう。
さらに、マスク、眼鏡、帽子などでガードします。

家に持ち込まない

帰宅時は衣服や髪に付いた花粉をよくはらってから家に入りましょう。
うがい、手洗い、洗顔をして鼻をかむこともお忘れなく。

きちんと掃除

部屋の掃除をこまめに行いましょう。
飛散量の多いときは窓や戸を閉めておきます。

空気清浄機を利用する

空気清浄機を花粉が飛散している時期は24時間使用します。
とくに寝室の枕元に置くことで、睡眠中の症状を抑えることが期待されます。

まとめ

この記事では花粉症についての解説を行いました。

原因となる花粉は1年中飛散する、鼻や喉などに症状が出るなど生活の質に大きく影響します。
病院で受診することで症状を改善し、健やかな日々を手に入れましょう。

ふじた医院へのアクセスはこちら。

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