病気解説

肛門外科

粉瘤

「おしりが腫れて痛くなった」「膿が出ていた」といった症状から、肛門周囲膿瘍や痔瘻ではないかと判断される患者様が多いのですが、診てみたら粉瘤(ふんりゅう)だったというケースは非常に多いのです。

ふじた医院では、男性医師だけでなく、曜日によっては女性医師も診察しています。ご自身での見極めは難しいことが多いので、不安な場合は、一度ご相談ください。アクセスはこちら。

粉瘤(アテローム)って何?

粉瘤(アテローム)の定義とは

粉瘤(ふんりゅう・アテローム、アテローマとも呼ばれます)は、皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)や皮膚の脂(皮脂)が、袋の中にたまってしまってできた腫瘍(嚢腫)の総称です。

たまった角質や皮脂は袋の外には排出されないので、時間とともに少しずつ大きくなっていきます。

身体のどこにでもできますが、特に顔、首、背中、耳のうしろなどにできやすい傾向があります。

やや盛り上がった数mmから数cmの半球状のしこり(腫瘍)で、しばしば中央に黒点状の開口部があり、強く圧迫すると、そこから臭くてドロドロしたネリ状の物質が出てくることがあります。

粉瘤の中身とは?

アテローム(粉瘤・ふんりゅう、アテローマ)は、俗に “しぼうのかたまり”などと呼ばれることもありますが、実は本当の脂肪の塊ではありません。

皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)や皮膚の脂(皮脂)が、袋の中にたまってできた腫瘍(正しくは嚢腫といいます)の総称です。

痔と粉瘤の違いは?

痔瘻は「痔疾患」ですが、粉瘤は「皮膚疾患」、全く別物の病気です。
痔瘻は肛門の中に原因がありますが、粉瘤は肛門の外の皮膚に原因があります。

確かに症状が一見似ているので判別に迷うケースもあり、分かりにくいと思うので診断し適切な処置を行うことが大切です。

粉瘤の症状ってどんなもの?

粉瘤は、皮膚の下にできた袋(嚢胞)に、本来アカとなって剥がれ落ちる古い角質や皮脂などの老廃物がたまり、しこり(腫瘍)となったものです。

粉瘤の小さな穴は外界と通じています。風邪を引いたり免疫力が弱くなったりしたときに、この穴を通じて感染を起こし、袋の中に膿が溜まります。

また、袋の中の垢のカタマリ自体が異物ですので、排除しようとして炎症や化膿を起こすときもあります。粉瘤に炎症が起こった状態を「炎症性粉瘤」、あるいは「感染性粉瘤」といいます。粉瘤がある場合は、汚い手で触らないようにします。

粉瘤の表面には開口部と呼ばれる袋の口があり、垢などが固まって口をふさいでいるので、黒い口があるように見えます。

また、つまむと中から白い物が出てくることがあります。

ドーム状に盛り上がり、粉瘤と間違えやすい「脂肪腫」は、触ると柔らかいのですが、粉瘤は硬いという特徴があります。

粉瘤が小さいうちは痛みも痒みもありませんが、粉瘤の中央部周辺にある黒い点状の開口部から細菌が侵入すると、炎症を起こし赤く腫れて痛くなります。

特におしりの場合は圧迫されることも多く、できた場所によっては「痛くて座れない」という事もあります。また、化膿がひどくなると、膿などが出て衣服に付く事もあります。

炎症性粉瘤って何?

粉瘤に細菌が侵入して感染すると、膿がたまって大きさを増し、赤く腫れ上がって痛みを伴います。このような状態になった粉瘤は炎症性粉瘤と呼ばれます。

粉瘤を放置していると、症状が悪化して炎症性粉瘤になってしまう恐れがあります。

赤く腫れているときに膿を出そうとして無理に圧迫すると、袋が破れて脂肪織内に散らばり膿皮症という状態になる場合があり慢性化することもあります。

そのため、無理に圧迫し内容物を排出することは避けて、早めに医師に相談し処置を受ける必要があります。

粉瘤のリスク

粉瘤は基本的には良性の腫瘍と言われており、危険性は少ないです。

しかし、粉瘤を放置していると、内容物が増えて大きく膨らみ目立ってくる、老廃物が溜まり悪臭を放つようになる、細菌が入り込んでしまい腫れて痛む・膿が出てくる、といったリスクがあります。

さらに、ごくまれなことではありますが、粉瘤が癌化したという報告もあります。癌化した粉瘤は、中高年の男性の頭部、首、お尻に生じたものが多いと言われています。

また、初期の小さな粉瘤は白色~肌色ですが、悪化して大きくなると黄色、黒色、青色などに変色することもあります。

粉瘤(アテローム)の治療法はどんなものがある?

治療法1:くりぬき法

特殊な器具で粉瘤に小さな穴をあけ、そこから粉瘤の内容物を絞り出した後に、しぼんだ粉瘤の袋を抜き取る方法です。

できるだけ小さな切開により腫瘍を摘出することができます。

また手術時間も短縮できます。手術時間は5分~20分です。

治療法2:切開法

腫瘍の直上に切開を加え、粉瘤を丸ごと切除します。 再発率も低く、切開法による手術を選択させていただく場合もあります。

【注意!】 粉瘤は自分で潰しても治らない!

上記のように、粉瘤は皮膚の内部にある袋を取り出さない限り完治することはなく、一見落ち着いたように見えても再発します。

そのため自分で治そうと粉瘤を潰しても、治ることはありません。

また、粉瘤を潰してしまうと、細菌感染を起こし腫れて痛みが出る、刺激によって皮脂分泌が活性化し粉瘤がさらに大きくなる、といったリスクもあります。

ご自身での対処は控え、早めに診察してもらうことが大切です。

治療法3:炎症を抑える他の治療法

切開の他に炎症を抑える治療法として、受診の都合でどうしても切開が難しい場合や炎症がそれほど強くない場合に、注射器で中身を抜いたりステロイドが入った薬を袋の中に注射したりする方法を用いることがあります。

また、炎症がそれほど強くない場合に、抗生剤を内服してとりあえず様子を見ることもあります。

日帰り手術はできますか?

当院では、粉瘤に対する日帰り手術を行っております。

局所麻酔の上、患者様の身体のご負担を最小限に抑えて日帰り手術を行うことができます。

手術を日帰りで行うことには、以下のようなメリットがあります。

  • 局所麻酔による手術のため、身体への負担が少ない。
  • 仕事や育児、介護など日常生活への影響を最小限に抑えられる。
  • 入院手続きやご家族による身の回りのお世話が必要ない。
  • 費用を安く抑えられる。

日帰り・局所麻酔の場合でも、手術内容は基本的に全身麻酔時と同じです。日帰り・局所麻酔だからといって、手術の工程が省かれるようなことはありません。

局所麻酔による日帰り手術は、全身麻酔による手術と同じ結果が得られることを前提として選択しています。ご安心の上、ご相談ください。

麻酔による痛くない手術

局所麻酔の注射を打つ際には、チクッとした痛みを感じます。ただ、その後は麻酔の効果によりほとんど痛みはありません。

粉瘤(アテローム)の治療により期待される効果はありますか?

粉瘤を摘出することにより今後の感染のリスクをおさえることができます。

なぜできるのかははっきりわかっていませんが、できやすい体質の方の場合には、大きくなる前に相談していただいたほうが傷跡も小さくてすみます。

予防法はある?

粉瘤は発生原因があまり分かっていないため、予防法についても「これをすると粉瘤にならない」といった確実な予防法はありません。

しかし、肌を清潔に保つ、肌に刺激を与えないなど肌を良い状態に保っておくのに越したことはありません。

「粉瘤ができやすい」「粉瘤を繰り返してしまう」という方も、確実な予防法はありませんが、毎日のスキンケアを通して発生しにくい肌作りを目指しましょう。

また、粉瘤は気になるかもしれませんが、いじったりこすったりいると炎症を起こすきっかけとなります。炎症が起こってからでは、粉瘤が大きくなったり痛みが出たりする他、治療が長引いたり治療の傷あとが大きくなったりする恐れがあります。

あまり触りすぎないようにしつつ早めに受診し治療することができれば、これらを防ぐことができます。

粉瘤に似た皮膚疾患

ここでは、粉瘤に見た目が似ている他の皮膚疾患の特徴について代表的なものを紹介します。

ニキビ

顔にできる印象の強いニキビですが、胸や背中などの場所に発生することもあります。

ニキビは、ホルモンバランスの乱れなどによる過剰な皮脂分泌の増加やアクネ菌の増殖、毛穴の詰まりなどによって発生します。

粉瘤はニキビと違い、10㎝やそれ以上に巨大化することもあります。ニキビが大きくなることはないため、ある程度大きくなった粉瘤は簡単にニキビと見分けることができます。

また、粉瘤は老廃物がたまったものであるため、圧迫されて内容物が出てくると独特の強い臭気を発することがあります。炎症を起こすと特に触れなくても悪臭を生じることもあります。この臭いはニキビでは生じませんので、見分ける大きなポイントになります。

脂肪腫

皮膚との癒着はなく、皮下で動く腫瘍です。
化膿したり痛みが出たりすることはなく、匂いも一切ありません。

サイズは数㎜から10㎝以上になることもあります。
背中や肩、首への発生が多く、次いで四肢にも多く現れます。

化膿性汗腺炎

化膿性汗腺炎とは、汗を分泌する汗腺に感染が起こり、膿が溜まってしまう疾患です。

痛みや赤い腫れを伴うおできが繰り返しできてしまい、赤いブツブツや、硬い皮膚、蜘蛛の巣のような見た目になることもあります。

太もものつけ根、ワキの下、乳首、お尻などに起こりやすく、20~40歳代を中心に発症します。

せつ(おでき)

太った人、高齢者、糖尿病患者などにできやすく、細菌の感染によってできる皮膚症状です。

治療をせずに放置していると膿ができ、痛み、赤み、発熱などが起こる可能性があります。

しこりのようなものが触れるという初期症状に関しては、おできと粉瘤が似ていると言えますが、おできの場合には痛みが早い段階で起こるため比較的区別しやすいです。

ガングリオン

ゼリー状の粘液がたまってできたしこりで、関節の周囲にできやすい傾向があります。

20歳~50歳が主に発症し、若い女性に発症が多いとされています。
ガングリオンの大きさは米粒程度からピンポン玉くらいになることもあります。

ガングリオン自体が痛みを起こすことはありませんが、神経を圧迫することで痛みやしびれといった症状を起こすことがあります。

よくある質問

粉瘤は自然に治りますか?

粉瘤は皮膚の下にある袋を取り除かない限り、完治することはありません。

自分で潰しても大丈夫ですか?

自分で潰すと、炎症を起こすきっかけとなる可能性があります。気になっても無理に潰すのはやめて下さい。

粉瘤の手術は大変ですか?

手術は10~30分程度で終わる簡単なものなのです。麻酔をするので痛みもありません。
手術が終わった後も、強い痛みがあるといったことはとても少ないです。

まとめ

最後に、粉瘤に関係する病気や原因などについて解説してきましたが、粉瘤は放置しておくと痛みを伴うことが多いので、早めに医師の診察を受けるコトをおすすめします。

ふじた医院では、男性医師だけでなく、曜日によっては女性医師も診察しています。ご自身での見極めは難しいことが多いので、不安な場合は、一度ご相談ください。アクセスはこちら。

気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください

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