手のしびれ（原因や対処法を解説）

ある日気づくと手先にしびれを感じた、手のしびれが強くて眠れない、など手のしびれに悩む方は多いのではないでしょうか。

手のしびれは、局所的な原因によるものと、脳梗塞や糖尿病などの全身に関わる病気が原因の場合とがあります。

こちらでは、整形外科の疾患から内科疾患までご説明していきます。ご自身に当てはまりそうなものがあれば医療機関を受診してください。

手のしびれの原因

手のしびれの原因は、局所、脳や脊髄、内科的疾患と、大きく3つに分けられます。

手のしびれが、左右どちらかだけか両方か、徐々に出てきたか急に出てきたかなど観察してみてください。

❶局所的な原因（肘から先の腕・手に原因がある場合）

症状

しびれの場所が左右どちらかだけで、局所的で、はっきりしています。手のどこにしびれがあるか、観察してみましょう。

ア）親指から薬指の親指側半分までにしびれがある場合

手根管症候群（しゅこんかんしょうこうぐん）

親指などを動かす正中神経（せいちゅう神経）という神経が、手関節で様々な理由で圧迫されて指先にしびれを感じます。
悪化すると指に力が入りにくくなり、ボタンが留めづらい、お箸を使いにくいなど細かい手の動きができにくくなります。
手首を手のひら側に曲げる（1分間）と、しびれが強くなる場合、手根管症候群の可能性があります。

イ）薬指の小指側半分から小指にしびれがある場合

肘部管症候群（ちゅうぶかんしょうこうぐん）

小指を動かす尺骨神経（しゃっこつ神経）が、肘関節で圧迫されて小指にしびれを感じます。悪化すると小指の動きが悪くなります。

ウ）指の一部だけがしびれる場合

⇒ガングリオンなど神経を圧迫する腫瘤によってしびれがでている可能性があります。

エ）手だけでなく首や肩にしびれがあり、指の色が悪くなることもある

胸郭出口症候群（きょうかくでぐちしょうこうぐん）

首と胸の間にある血管や神経が通るトンネルで、神経が圧迫されてしびれを感じます。
しびれの症状は首や肩から始まることもあります。血管の圧迫もある場合は、指先への血の巡りが悪く、指先の色が悪くなることもあります。

❷脳や首の神経に原因がある場合

症状

手のしびれは左右どちらかだけだが、手全体や腕にもしびれがある

オ）左右どちらかの手に急にしびれが始まり、腕も挙がらなくなった、ろれつが回りにくい、などの症状も伴う。

⇒脳血管障害の可能性があります。

カ）左右どちらかの手や腕にしびれがあり、肩や背中にも強い痛みがあり、時間の経過とともに症状が悪化していく。

⇒頸椎ヘルニアなど頚髄（首を通る神経）が圧迫されている可能性があります。

❸内科的疾患がある場合

症状

両手や両足にしびれや感覚の鈍さがあって、目がかすむ、尿意や便意を感じにくい、尿量が少ないなど、しびれ以外にも症状がある場合

⇒糖尿病の可能性があります。
その他、甲状腺機能低下症という代謝が落ちる内科的疾患では、むくみのために手根管症候群になることが知られています。

手のしびれは何科を受診する？

❶手のしびれが左右どちらかで局所的な場合で、徐々に症状が出てきた場合

手根管症候群など、局所的な原因が考えられるので、整形外科を受診しましょう。
手根管症候群の原因は様々で、甲状腺機能低下症という内科的疾患による場合もありますが、手のしびれや限定的な場合は、まずは整形外科を受診してよいと思います。

❷手のしびれは左右どちらかだけだが、急に発症した、腕が挙がらないなどの症状も伴う場合

脳血管障害の可能性があります。脳神経外科を受診しましょう。

❸手のしびれは左右どちらかだけだが、手や腕、首や肩に強い痛みや脱力を伴い、比較的急に発症した場合

頸椎ヘルニアや後縦靭帯骨化症など、首の神経が圧迫されている可能性がありますので、整形外科を受診しましょう。

❹両手や両足がしびれている場合

糖尿病の可能性があります。内科を受診しましょう。

以上、しびれの代表的な疾患についてご説明しましたが、手のしびれといっても、ここに記載した以外にも様々な原因があります。

もし、しびれにお困りの方は、まずは整形外科か脳神経外科を受診しましょう。

先にも述べた通り、❷の急なしびれは脳に異常のあるサインかもしれませんので、脳神経外科を受診してください。
それ以外の症状の場合はふじた医院でも診察が可能です。

ただ、あまり発症時期がわからないという場合はひとまずふじた医院にご来院ください。
必要に応じてより大きな病院への紹介も可能です。