病気解説

外科

挫傷と挫創

ケガ(怪我)をしたと言っても色々な症状があります。外傷には、さまざまな名称がありますが、普段からよく耳にするのは挫創(ざそう)と挫傷(ざしょう)です。

どんな違いがあるのか、またどんな処置をすればいいか解説していきます。

「挫創」と「挫傷」の違い

挫創はどういった症状?

名前は知っているけど、いざ「挫創ってなに?」と聞かれたら説明できない人が多いのではないでしょうか?
簡単に説明すると、挫創は転落や打撲で受けた傷で、傷が開いていることをいいます。

小さい子供は、いろんなことに好奇心が旺盛なのでいろんな怪我をしたりします。例えば、子供が裸足で砂場を歩きガラスを踏んだために、そのガラスが足に入り込むこともあるでしょう。このようなケースで皮膚を傷つけてしまった場合も挫創と呼びます。

切り傷や刺し傷等を含めたのを挫創といい、挫創の症状は、切れたところから血が出ます。大きな血管が傷ついてしまうと傷口からばい菌が入り、その箇所が大きく腫れあがります。

挫傷はどういった症状?

挫創と名前が似ているので、同じ意味だと思っている人が多いですが、挫創とは全く異なります。

挫創と挫傷は打撲によって受けるところまでは同じですが、挫傷は皮膚に傷がついていないところが違います。
皮膚の表面に傷がついていないからといって、安心というわけではありません。

挫傷は皮膚の皮下組織や、深部に傷がいっているので治るのに時間がかかる場合があります。

打ち身の打撲も「挫傷」です。
例えばスポーツ選手に多くみられる肉離れも挫傷といい、正確な名称は筋挫傷です。

準備運動を十分に行わず、急激な運動を行った場合にみられるのが筋挫傷ですが、筋肉に大量の血が発生したために起こります。

筋挫傷では軽度から重度がありますが、重度の場合は歩くのもかなり痛いほどです。

挫創や挫傷の処置について

挫創の処置は?

ここでは一般的な応急処置について解説していきます。ただ、創をきれいに治すためには、はじめの治療(初期治療)がとても大切です。

けがをした場合は、すみやかに形成外科のある医療施設への受診をお勧めします。

  1. 傷口を水道水で洗い流し、徹底的に異物を取り除く。
  2. 清潔なガーゼ・ハンカチ・シーツなどを直接傷口に当てて、手のひらで圧迫し止血する。
  3. 出血がひどい場合は、傷口より心臓に近い動脈(脈を感じるところ)を強く圧迫する。
    手足であれば、心臓より高い位置を保つと止血しやすい。
  4. 出血が止まったら、ラップを傷口より大きめに切り、白色ワセリンを塗り、傷に当てテープで密封する。

脱脂綿やティッシュペーパーは、傷口に繊維が残るのでよくない。

もし、どのように処置をすればいいかわからない時や出血がひどい時などは、躊躇せずに医師の診察を受けましょう。

切り傷の応急手当

しかし、傷口が深く血が止まらない場合の応急処置は他にもあります。

例えば子供が遊んでいてガラスで手首を切ってしまった場合にはどうしたらよいでしょうか?

血がたくさん出る場合は止血をすることが大切なのです。ガーゼやタオルなどで手首を固定して圧迫し、心臓より高い位置に手首をあげておきます。

もし、神経を切っている場合は大変なので血の流れをしっかり止めましょう。
日常生活では予期しない怪我があらゆる場面であります。
例えば、玄関のドアで頭をぶつけて頭から血が出た場合は、まずしっかりと止血をします。
その際、どこの部分が怪我をしたのかとか傷口の大きさを確認してください。

頭を打った場合は、そのときは大丈夫でもあとから頭痛や吐き気がある場合があるので24時間体制で様子をみる必要があります。

刺し傷(さしきず)の応急手当

刺し傷の治療としては、何で怪我をしたかによって応急処置の仕方が違ってきます。

まずバラのとげの刺し傷の場合は目視で確認できる場合はピンセットでとげを取り消毒で十分ですが、それでもとげが取れない場合は病院へ行ってとげを抜いてもらいましょう。

ガラスを踏んでしまってガラスの破片が手足の中に入って放置していると細菌感染などを起こす場合があるので止血をしっかりして病院での治療を必ず受けましょう。

もし、どのように処置をすればいいかわからない時や出血がひどい時などは、躊躇せずに医師の診察を受けましょう。

挫創や挫傷の診察について

挫創の治療は何科に行けばいいのか?

挫創の治療は一般には形成外科に行きましょう。
ただし、足を怪我している場合は形成外科ですが、耳の場合は耳鼻科、そして目の場合は眼科になります。

怪我をしている箇所によって何科に行くかは違いがあるので、必ず病院へ行く前に電話で確認したほうがよいでしょう。

傷口の大きさや、傷の場所、いつどこでどのように怪我をしたということを明確に伝えられるようにメモをしたり、スマホで傷口の写真を撮ったりして、電話をしましょう。

そうすればスムーズに何科で診断したほうがよいか教えてくれます。

病院での挫創の治療について

ケガをした場合、初期治療が大事です。縫合治療が必要なのに病院を受診しなかったために、一生消えない傷が残ってしまうということがあります。

また、病院では血管の損傷を直し、専門的な洗浄をしてくれるので傷口感染をしっかり予防します。挫創は素人判断をせず、病院で手当をすることを第一にお考えください。

傷口が深い場合は、縫合で処置することがほとんどですが、今では縫わずにテープなどで傷口をふさいでいくというステリテープというものがあります。

例えば子どもの場合、麻酔を使って縫合する場合は、暴れまくるこどもを押さえつけて注射を行うのは至難の業です。

そのため、小さい傷であればテープで治療するほうが、子どもにとっても親にとってもいいので、治療方法を事前に確認したほうがいいでしょう。

また小さなお子さんをお持ちの親御さんだと、皮膚に傷が残るのに抵抗を感じることもあるのでどんな方法の処置があるのかを事前に確認したほうがいいでしょう。

気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください

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