病気解説

内科

非結核性抗酸菌症(NTM症)

咳や痰が2週間以上続く、微熱やだるさがなかなか取れない。風邪にしては長いと感じる症状の中に、「非結核性抗酸菌症(ひけっかくせいこうさんきんしょう)」、略して「NTM症」と呼ばれる肺の病気が隠れていることがあります。人から人へうつる病気ではありませんが、ゆっくり進むことが多く、気づかないまま過ごしてしまいやすい病気です。長引く咳が気になる方は、自己判断せず一度ご相談ください。

監修者:
医療法人高樹会 ふじた医院 院長 藤田博崇(ふじた ひろたか)

監修者:医療法人高樹会 ふじた医院 院長 藤田博崇(ふじた ひろたか)

経歴:

平成15年 香川医科大学(現・香川大学医学部)卒業、第一外科教室 入局。三豊総合病院(外科・麻酔科)、坂出市立病院(外科)、香川大学 消化器外科、国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センターに勤務。香川労災病院 消化器内科で胃・大腸の内視鏡検査を担当。平成23年 ふじた医院 院長就任。

資格:

日本外科学会 外科専門医/日本消化器外科学会 消化器外科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/麻酔科標榜医/産業医

専門・力を入れている分野:

①整形外科・リハビリテーション
②交通事故によるケガ・後遺症の治療
③内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)
④生活習慣病(高血圧、糖尿病、高コレステロール血症)
⑤外科一般(巻き爪・粉瘤・いぼ除去 など)


  • 本ページは 藤田博崇(ふじた医院 院長)監修のもと作成しています。

最終監修日:2026-10-08 / 詳しいプロフィール

非結核性抗酸菌症(NTM症)とは

非結核性抗酸菌症は、「抗酸菌」と呼ばれる細菌の仲間のうち、結核菌以外の菌(非結核性抗酸菌)によって起こる感染症です。この菌は200種類以上あり、土や水、浴室のシャワーヘッド、水道の蛇口など、私たちの身近な環境にすんでいます。

菌を含んだ細かい水しぶきやほこりを吸い込むことで肺に入り、肺に病気をつくるのがもっとも多いかたちです。日本では、MAC(マック)と呼ばれる種類の菌による「肺MAC症」が大半を占めています。

菌を吸い込んでも、多くの人は発症しません。発症するかどうかには、その人の体質や体の抵抗力が関係すると考えられています。

結核との違い

結核菌と同じ「抗酸菌」の仲間ですが、結核とは別の病気です。いちばん大きな違いは、人から人へは一般的にうつらないことです。

ただし、症状や胸の画像だけでは結核と見分けがつかないこともあり、正確に診断するには菌を調べる検査が必要です。

主な症状

NTM症には、この病気だけに見られる特有の症状はありません。次のような、風邪に似た症状がゆっくり続くのが特徴です。

  • 長引く咳
  • 痰(痰に血が混じることもあります)
  • 微熱
  • 体のだるさ、疲れやすさ
  • 体重が減る
  • 息苦しさ

症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すこともあります。また、ほとんど症状がなく、健診の胸のレントゲンやCTで影を指摘されて見つかることもあります。

風邪との見分け方の目安

風邪(急性上気道炎)の症状は、通常1週間ほどで徐々に和らいでいきます。咳や痰が2週間以上続く場合は、風邪以外の原因も考えて受診する目安になります。長引く咳の原因には、NTM症のほかにも肺炎や喘息などさまざまなものがあります。

かかりやすい人

  • 中高年の女性、特にやせ型の方
  • 高齢の方
  • 関節リウマチの方や、ステロイドの薬を長く使っている方
  • もともと肺に病気がある方

以前は、肺の持病がある人や抵抗力が落ちた人に起こりやすい病気と考えられていました。近年は、肺に持病がなく、抵抗力にも問題のない方にも多く見られます。

こんなときはご相談ください

  • 咳や痰が2週間以上続いている
  • 痰に血が混じる
  • 微熱やだるさが続く、体重が減ってきた
  • 健診で胸のレントゲンの影を指摘されたが、そのままになっている

厚生労働省や自治体も、咳や痰、微熱、だるさなどが2週間以上続く場合は医療機関を受診するよう呼びかけています。

検査と診断

NTM症の診断には、主に次の2つを組み合わせます。

  • 胸の画像検査:胸部CTなどで、NTM症に特徴的な変化があるかを調べます
  • 痰の検査:痰を培養して、菌がいるか、どの種類の菌かを調べます

菌は身の回りの環境にもいるため、痰に紛れ込んだだけの場合と区別する必要があります。そのため、痰の検査で少なくとも2回菌が見つかることが診断の条件になっています。菌の種類によって使う薬が変わるため、菌の種類を調べることも大切です。

ふじた医院でできること

ふじた医院では、内科で長引く咳のご相談をお受けしています。問診と診察で症状の経過をうかがいます。

詳しい検査が必要な場合は、設備のある医療機関をご紹介します。

治療について

NTM症は、診断がついたらすぐに治療を始めるとは限りません。ゆっくり進むことが多いため、症状や画像の変化、痰から見つかる菌の量などをふまえて、治療を始めるか、定期的な検査で様子を見るかを判断します。

治療をする場合は、複数の抗菌薬(抗生物質)を組み合わせて使います。治療期間は1年以上になることが多く、薬の副作用を確認するためにも、定期的な通院と検査が欠かせません。慢性化したり、いったん落ち着いてから再び悪くなったりすることもあるため、症状がなくても自己判断で通院や薬をやめないことが大切です。

日常生活で気をつけたいこと

菌は環境中に広く存在するため、感染を完全に防ぐことは難しいとされています。そのうえで、次のようなことを心がけましょう。

  • 浴室やシャワーヘッドなど、菌がすみつきやすい水まわりを清潔に保つ
  • 成人の方は、1年に1回程度、健診などで胸部レントゲン検査を受ける
  • 長引く咳や痰があるときは、早めに医療機関を受診する

非結核性抗酸菌症(NTM症)のよくあるご質問

Q1: 家族や周りの人にうつりますか?

一般的に、人から人へはうつりません。そのため、ご家族と別々に過ごすなどの特別な対応は必要ないとされています。

Q2: 結核と同じ病気ですか?

別の病気です。結核菌と同じ「抗酸菌」の仲間の菌が原因ですが、結核とは違い、人から人へは一般的にうつりません。ただし見た目の症状や画像だけでは区別できないことがあるため、菌を調べる検査で確かめます。

Q3: 咳が何日続いたら受診した方がよいですか?

2週間以上続く場合が受診の目安です。痰に血が混じる、息苦しさが強い、高い熱が続くといった場合は、2週間を待たずに受診してください。

Q4: 健診で肺の影を指摘されましたが、症状はありません。受診した方がよいですか?

受診をおすすめします。NTM症は症状がほとんどないまま見つかることもある病気です。影の原因を確かめるため、そのままにせず一度ご相談ください。

Q5: ふじた医院でNTM症の治療は受けられますか?

長引く咳のご相談は内科でお受けしています。詳しい検査が必要な場合は、設備のある医療機関をご紹介します。

気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください

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